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ノンフィクション作家:1
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ノンフィクション作家:1
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深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)


沢木耕太郎
¥ 420 通常24時間以内に発送
★★★★★

深夜特急〈1〉香港・マカオ...
1年掛けて、大陸を貧乏旅行する経験自体は、良いことだと思うのですが、沢木節よろしく「だから俺は、他の若い奴より偉いんだ」的な態度には苦笑してしまいました。 でも、読み物としては面白いです。入社試験時の敵前逃亡に対し、もっともらしい言い訳をする所は「自分には優しい人なんだなぁ」と人間、沢木耕太郎さんを見た思いがして、良かったですね。バックパッカーやった奴が偉らいなら、日本で義務化すれば良い。とおもわせる逸品です。 読み物としては、面白いのでオススメです。その昔、1ドルが360円だった。それがバブル期に80円になったこともあった。円高はバックパッカーに都合が良く、またアジアへの旅はもともと物価が安く過ごすことができるメリットがあって私のような貧乏学生にも海外旅行ができた。この小説を読むと、今すぐにでも旅立ちたくなるが、現実的には、家庭を守り、子どもを進学させねばならず、家のローンも残っているし、仕事をやめる勇気はない。ということで、再び合流する楽しみは20年先の退職後にとっておく。 小説中にとても共感できる部分が、2つある。その1つは、道を聞かれるくらいに現地に溶け込むと、旅人側は好奇...

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)


沢木耕太郎
¥ 420 通常24時間以内に発送
★★★★

深夜特急〈2〉マレー半島・...
香港を出発して、マレー半島を下ってシンガポール向かう第2巻です。 なんといっても娼婦の館での件が面白すぎました(笑)。なんか陽気で和気あいあいとしてる 雰囲気が伝わってきて思わずニンマリ。娼婦にたかるヒモの若者達なんてギャグにしか思えな いが世界は広いもんだ(笑)。 前回から亘って、同じアジア圏でも色々と差異もあり読んでて面白いですね。何か旅先で 出会う人々をみてると、やっぱ日本人って真面目なんだよなぁ〜と感じます。まぁそのぶん つまんないのかもしれないけどね。 人物描写もいいんだけど、食べ物の描写がいいな〜。僕なんか普段食べたか食べないかわか らないぐらい、食べることにこだわりも執着もない人だが、これ読んでると不思議なことに 無性に食い意地がはってきます(笑)。なんかどれもこれも美味しそうに思えてくる。 あと巻末についてる対談は高倉健さんとです。「死に場所を見つける」なんてヤバイぐらい カッコいいタイトルだが、内容も渋くて勉強になりました。オススメです。 私達はどこか別の世界に連れて行ってくれることを期待して本を読むことが多いです。この本は、ページをめくればいとも簡単に夜行...

深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)


沢木耕太郎
¥ 420 通常24時間以内に発送
★★★★★

深夜特急〈3〉インド・ネパ...
私もインドを旅行したことがあります。日本の常識が通用しないことや人々の貧困に大変驚いたことを覚えています。 この本では駅や路上で生活している人やベナレスの死体焼場のことを取り上げていますが文章がどちらかというと冷静です。残念ながら1巻の「香港・マカオ編」のちょっとの事にも興奮して何でもやってやろうというワクワク感が減じてしまっているように思います。旅も佳境に入って、一日一日を現地の人たちとどうやって過ごすかということに重点が置かれているので仕方のないことかもわかりませんが・・。とにかく深いインド・ネパール編。第八章の「雨が私を眠らせる」は手紙という表現上も あわせて本当に淡々と描かれているが、それがまたアンニュイな気持ちにさせて、じめじめ した気候を想像すると自分がとけていきそうな気がする。 第九章の「死の匂い」の死体焼き場をポツンと眺めてる著者を想像してると、気が滅入るが そこの描写にあるように不思議な恍惚感が湧いてくる。 インドって国は不思議な国だとは思っていたが、何かこれを気に勉強してみたくなるような もしくは行って見たくなるような変な気持ちになりました。 それにしても貧...

深夜特急〈5〉トルコギリシャ・地中海 (新潮文庫)


沢木耕太郎
¥ 460 通常24時間以内に発送
★★★★★

深夜特急〈5〉トルコギリシ...
旅にも幼年期、青年期、壮年期、老年期とあり、この巻では壮年期にあたる部分を描いている 確かにエネルギッシュに前へ、前へというよりは、何か心の隙間を埋めるように、それを 求めて前へ進んでいる印象を受けました。 個人的にはトルコ編はほのぼのとしていていいなぁ〜と思います。香港のスターフェリーも いいですが、こちらのアジアとヨーロッパを往復するフェリーは本当に羨ましいなと、、、 朝起きて、朝食を食べ、散歩してから食料を買いフェリーで風に吹かれぼーっとして、また 帰ってくる、たったそれだけの事がものすごく贅沢に思えてくる。 ギリシャ編では、スパルタの廃墟で出会った老人の件が感慨深いですね。年をとって好奇心 が磨耗しても人とだけは関わりたいというのがやっぱり素直な所なんだろうなぁ、、、 散歩してたらいきなりバースデーパーティーに誘われる件も、読んでて癒されます。やっぱ 人と人との繋がりはいいなと。 地中海からの手紙の章では、今までの旅の事をなかば自棄になって顧みてたりしますが、ほ んと人生の壮年期と同じですよね(笑)。 最後にいったい何を得るのか、次の巻が楽しみです。アジアからヨーロッ...

言葉を育てる―米原万里対談集 (ちくま文庫 (よ21-2))


米原万里
¥ 777 通常24時間以内に発送
★★★★★

言葉を育てる―米原万里対談...
仕事柄、インタビューやレポートを書くことが多い私は、自分のことをある意味「通訳」だと思ってきました。 そんな私にとってこの本は「よくぞ言ってくださった!」という言葉満載。 ページをめくるごとに、自分の中でこれほどまでに価値が上がっていった本は初めてです。 と同時に、自分がいかに、見えない蓋に覆われているか、自由な発想ができずにいるかを痛感した本でもありました。 この対談集をまとめてくださって、本当にありがとうございました。 米原万里さん亡き今、その声を、発言をリアルに楽しめる本だと思います。 手元にいつでも置いて、何度も何度も読み返したい本です。面白いです。 プラハの学校時代の話、その影響、 通訳者としての仕事、その心構え。 「絞め殺したくなる」といった表現すら、愉快な感じがします。 本当に、貴重な方を亡くした、社会的な損失だと改めて思いました。 残念です。もっといろいろな本を書いて、遺して欲しかったです。

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)


沢木耕太郎
¥ 460 通常24時間以内に発送
★★★★★

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ...
スペインのマドリードで昼は市を、夜は居酒屋をうろつく中で沢木さんは段々、無の感情に 蝕まれていきます。そこで懊悩してる時に、思い出したのがタイで会った夫妻に言われたこの 言葉で、そこに答えを見つけようとする、、、僕はこの深夜特急を最初から読んで、ずーっと 思っていたが、この人は何でこんなに真面目、いや誠実なんだろうと。。表面的な無鉄砲な ユニークさはあるが、内面は誠実そのもの、常識人だし、大人びてるし、保守的だし、確かに 育った世代もあるかもしれないが、この人は誠実そのものだと思う。 そう考えて振り返ると、深夜特急が何故こんなに面白いと思ったとき、この内面の深さは 結構あるんじゃないかなぁとね。普通(普通の26才、まぁまだ青年だよ)の人にだったら きっと、もっと表面的、センス的な所、フィーリング的な所が大事だろうし、もしくはもっと 単純か、逆に理屈っぽいかのどっちかだろう。つまり沢木さんが見たその国や街、あるいは 市場や広場、とりわけ人々への内面へ内面への観察力や、もしくはそれが一番大事とする 精神あるからこの本は面白いんだろう。 そしてそうゆう人柄が行き着く先々で縁を作るんじゃない...

深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)


沢木耕太郎
¥ 420 通常24時間以内に発送
★★★★★

深夜特急〈4〉シルクロード...
このシルクロード編を読んでいると、文中でも使われてる蒼味を帯びた風がスーッと吹いてく るようなそんな感じを受ける。最初の方の勢いというものが薄れていき、著者自身の内面描写 にスポットが当たる部分も多い。だが迷い迷う姿には誠実さがあるような気がした。 ここでは乗り合いのバスがメインで淡々と進む所があるので、ある種起伏に欠けるが、それで も一台のバスの中に多国籍の放浪者達が集まる画は想像しただけで何か面白いし、バスの窓か ら時折覗く景色に非常に心が揺れるね。淡々としてるが、そこここに微妙に違う色があって 感慨深いね。 最初の香港編から物乞いはずーっと出てきたが、ここで登場したロッテルダムの男という青年 が、ほぼ限りなく文無しに近いのに、それでも物乞いの子供たちに自分の金をわけてやる姿に は感動したし考えさせられたね。著者もそこで衝撃を受けて、ある意味解放されて自由に なったと書いてるが、ほんとあげるのが良いとか悪いとかの理屈じゃないのね。生きるのも 生きれるのも理屈じゃないと、、、。 ここから旅も冬に突入するのかも、蒼味を帯びた風が吹いたとき、それがどこから吹いてるの かと前に進め...

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


米原万里
¥ 580 通常24時間以内に発送
★★★★★

嘘つきアーニャの真っ赤な真...
米原万里さんの貴重な体験、経験をもとに、日本人にとっては、 苦手な多民族、人種の理解の一助となる貴重な一冊である。 東欧の共産主義社会で生活したというだけでも、日本人にとって は、貴重な経験であるが、その東欧プラハのソビエト学校で学んだ 友人たちの、その後の話が軸である。 亡命ギリシア人、ユダヤ系ルーマニア人、セルビア系ユーゴスラビア人 それぞれの、その後の人生は数奇であるが、ユダヤ人や、ユーゴスラビア の人々を理解する上でも貴重な体験集でもある。各話のタイトルが青赤白のロシア国旗の色になっている。物語としても十分興味深く読めるが、社会主義体制論としてもとても秀逸である。勉強になりました。リッツァ、アーニャ、そしてとくにヤースナ、彼女たちはぶじに生活できているのだろうか……と思い、ふと著者がすでに亡くなられていることが改めて意識され、むしょうに悲しくなった。ソビエト学校に通っていた同級生に米原さんがその当時の回想を交えながら書いたエッセイ。 エッセイと言っても小説の様にドラマチックで米原さんの文章の上手さも際立っている本でした。 何故、アーニャが嘘をつかなければならなかった...

心臓を貫かれて〈上〉 (文春文庫)


マイケルギルモア
¥ 700 通常3〜4日以内に発送
★★★★★

心臓を貫かれて〈上〉 (文...
少し前に売れた本に「Itと呼ばれた子」とい本がある。 実母から壮絶な虐待を受けた被害者の一人称で綴った本だが、あれと同じこれでもかというえぐい暴力や虐待の露悪を期待して読んだ読者は裏切られると思う。 この本で著者の兄弟たちが受けた虐待は、いってしまえばありふれている。 単純な殴打や打擲やベルトでの鞭打ち(勿論それ以外の陰湿なものもあるが)……確かに酷いが、それほど異質かつ異常なわけでもない。 だが、怖い。 恐ろしい。 たとえば井戸を連想してほしい。 残虐を極める虐待の細部をリアルにグロテスクに詳述した本が無数の虫がうぞうぞ蠢き回る井戸を覗き込む行為だとしたら、この本は深く暗く底知れない井戸を覗きこむのに似ている。 闇を這う虫は肉眼では捉えきれず、底で蠢く気配だけが伝わってくる。 ただ、深く得体の知れない闇だけが広がっている。 その闇は底知れず、どこまで続いてるかわからない。 どこまで遡れば終わるのか、憎悪が取り結ぶ血の連鎖の終着点はどこか、まるっきりわからない。 だからこそ、怖い。 子供、両親、祖父母。 一体この井戸はどこまで続いてるのだろうか。 そう考えさせてやまないノンフ...

心臓を貫かれて〈下〉 (文春文庫)


マイケルギルモア
¥ 740 通常24時間以内に発送
★★★★★

心臓を貫かれて〈下〉 (文...
全米に死刑論争を巻き起こした殺人犯の弟である著者が、愛憎入り乱れる家族の関係、何代にもわたって家族が隠し持ってきたトラウマの歴史にまで遡って、いかにして兄が殺人者になっていかなくてはならなかったかをひも解く、ノンフィクション小説です。 ゾッとするようなアメリカの闇の部分が克明に描かれています。 キリスト教国ならではの価値観の問題(人間の自然な欲求を押え付けようとするキリスト教の狭量や不寛容がひきおこしてしまうのであろう若者たちの破滅的行動、オカルト的恐怖とつきまとう罪の意識、自殺願望、犯罪への衝動…) 呪われた家族の歴史(これもまた罪の意識が引き起こす連鎖的恐怖が原因なのではないか?) アメリカ社会の複合的な病弊(愛情の枯渇と虐待の連鎖、家庭の崩壊とアイデンティティの喪失、バックグラウンドや人種による階級社会、銃と暴力、刑務所のモラルの問題、等々) 恐ろしいのは、この話が特別な人たちに起こるべくして起こったのではないということ。 どれだけ多くのアメリカ人の家庭が似たような地獄を密かに抱え持っているのか? と同時に、自分の生き方、子供との関係、親との関係について、考え直させられる作品で...

い太鼓 (講談社文庫)


村上春樹
¥ 840 通常24時間以内に発送
★★★★★

い太鼓 (講談社文庫)
海外のことをこんな目線で おもしろおかしく 捉えられるのがすごいと思います。 なおかつ、読んだあと旅に出たくなる一冊。人気作家、村上春樹の旅行記です。奥様と日本を離れ、ギリシア、イタリアに滞在した3年間の記録です。観光地等ではなく、現地でアパートを借りての生活の記録です。ジョギングをしたり、買い物に行ったり、レストランやカフェで食事をしたりです。ランチア・デルタを買い、ドライブをしたりしています。当然、故障のエピソードもあります。滞在中、翻訳をしたり、ノルウェイの森を書きあげたりしています。とうてい、普通の人にはできない外国体験ですが、作家の感性が伝わり、面白い旅行記です。最初、著者も言うように、時差ボケなのか、面白くないのですが、だんだん、面白みをますので、最初で、つまらないと思い、投げ出さずに、最後まで読むのをお勧めしま。こういうところ、演出なのかどうかわかりませんが、著者はすごいなあと思います。とにかく楽しくて面白い。 何がどうこう言うより、とにかく面白い。 何が面白いのかよく分からないけれど、読後感はとても良い。 村上氏のエッセイが嫌いじゃない方にはお勧めです。日常生活に疲れ...

甘粕正彦乱心の曠野


佐野眞一
¥ 1,995 通常24時間以内に発送
★★★★

甘粕正彦乱心の曠野
満州の現場を知っている人がいまどれほど残っていることだろう。生き証人を探すにしても最後のタイミングに差し掛かっている。その意味で、このタイミングで広く証言を探しつくりあげた大作だ。 しかしながら、この著者の信条なのか性質なのか、証言に対して憶測を加えたり、まったく事実と関係ない情報あるいは嘘の情報(断りを入れているものの)を織り交ぜて読者に自分の憶測を織り込もうとする手法には不誠実さを感じざるを得ない。 これは東電OLにもみられたもので、せっかくの著作への信頼性を自ら毀損している。“満洲の夜を支配する”と言われたという甘粕の実像を描いて、甘粕がやさしい人間性と あえて言えばリベラルな人類愛の持ち主でもあったことを示している。 従来の「大杉事件」の鬼憲兵といった類のステレオタイプの甘粕像を持っていた わたしは、彼がなぜ満洲に渡り満映の理事長になったのか、実に不可解であった。 軍人としての挫折、恐らく心ならずも負った罪はいかばかり彼の心を蝕んだことか。 帝国陸軍に限らず、軍隊は本来的に上官の命令は絶対であるから、自分の思いとの 乖離に悩む人は軍人には向かない。 軍隊とは非人間的な...

孤児たちの城―ジョセフィン・ベーカーと囚われた13人


高山文彦
¥ 1,680 通常24時間以内に発送
★★★★

孤児たちの城―ジョセフィン...
新潮45連載中はこの作品を読むのが楽しみで ワクワクしながら読んだものだ・・・でも、3話ぐらいまで読んだ後、 そもそもその雑誌を買わなくなったので、その後の話がずーと気になっていました 連載読んだ人でも大きく構成を変えてあるので読めると思いますが、ワクワク感はありません。自分の出生を知る事が非凡な幼児期をおくって来た物にどんな作用を与えるのか 考えさせられました。ただ、本当の事はわからない、私は当時は知らなかったけれど、 当時の新聞記事などを読んでジョセフィン・ベーカーについて少しでも関心を持った人には とても、興味深く読む事が出来るだろうと思いました。 私はあいにく彼女の事を知りませんでした、でも、文中から彼女の魂に響く歌声と、子供たちの魂の叫びが、読書中音楽として聞こえたような気がしました しかしながら高山文彦の作品としては、ちょっと物足りない、水平記や火花のように作者の心に入っていけない、もどかしさを作者も感じ読者も感じるけれど、もしかしたら 今も生きている13人を書くのだからこそ、そのもどかしさこそ作者の書きたかった事かもしれない

阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫 さ 46-8)


佐野眞一
¥ 820 通常24時間以内に発送
★★★★

阿片王―満州の夜と霧 (新...
まず文章がヒドい。「耳が勃起する」という表現が出てくる。読んでいるこちらが恥ずかしくなるほど劣悪な比喩である。これだけでも読む気を失ってしまう。 さらに、「夜の帝王」「男装の麗人」といった人物形容がやたらと出てくることが気になる。陳腐な比喩が使われる度に人物像が薄っぺらになっていく。 表現だけでなく構成もよくない。3章になってようやく里見の物語が始まるのは回り道しすぎだと思う。 取材過程を見せることがこの作者のスタイルだが、そこでも寄り道のし過ぎがある。例えば五味川純平などはまったく関係ない訳だ。 そして文章以上に批判すべきは、作者の姿勢だ。 登場人物を「畜生」「怪物」「人倫にもとる」などと批判する。 その批判する姿勢には一点の疑いもない。 里見たち登場人物の人間性を否定すればするほど、著者や読者を含む一般人とは違う特異な人間であることが強調され、『阿片王』で扱われる歴史に普遍性がなくなっていく。 これが、この作品の決定的なキズである。戦前・戦中の満州で「阿片王」と呼ばれるほどの活躍を見せながら、その正体が多くの謎に包まれている里見甫の実像に迫ろうとする意欲的な一冊。 周到な文献・...

チェ・ゲバラ伝


三好徹
¥ 1,470 通常24時間以内に発送
★★★★★

チェ・ゲバラ伝
読んでいて少し分かりづらい言い回しが多かったように感じる。 訳本を読んでいるみたいなところが多かった。 言葉の当て方や、一つの件に対する焦点の当て方。色々詰め込 みすぎで散漫になってる気がした。 そして、話の進行の前後など、僕はあまり気持ちよく読めなか った。 同じ日本人なら土井さんの著書の方が素直に読めた。確かに贔 屓目なところはあると思うが。。 文章の書き方や好き嫌いで僕は単純にそう感じてしまった。 私にとってチェ・ケバラは名前も知らない人でした。 ちなみに30代です。年上の夫に、私の読んでいる本を見て チェ・ケバラを知らない日本人なんかいるのか!!と言われ ややむかつきながら、読みました。 初めて読んだチェの本としてはよかったですが、そんなに英雄なのかな?? まあ、知識として知っておく、肯定的で正しい知識を持つと言う意味では 有益でした。でも・・・今のアンダー40の人達ってあんまり知らないと思うよ だから、そういう人は、おじ様たちに馬鹿にされないように読んでおくべきかな??「世界のどこかでなにか不正が犯されたならば、 いつでも強く感ずるようになりなさい。」 ゲバラが子供たちに...

赤い楯―ロスチャイルドの謎〈1〉 (集英社文庫)


広瀬隆
¥ 730 通常24時間以内に発送
★★★★

赤い楯―ロスチャイルドの謎...
この本が陰謀説として捉えられているらしいと後から知って、ちょっとびっくりしました、いや、確かにそれっぽい単語は散りばめられていたようには思うんですが、でも事件の縦糸は全くつながっていないことはこの本を読んでいても十分わかりますし。 一つ一つの事件の経緯も特に偏った視点もありません。 なにより、「ちょっとロスチャイルドを過大評価しすぎじゃないかなぁ」と思ってしまったのが正直なところなので、負の印象で描かれた本だというのがピンと来ないのが実情です。 とある金持ちロスチャイルド家の家系と彼らの関わった事件の話。 少々些か、他人を信用しないところがあるね、という程度の感想は許されるのではないでしょうか。しかしそのバイタリティと能力には素直に脱帽します。“陰謀”を除くとちょっとテーマが散漫かなw これだけの系図を書かれた本は見たことがなく、その系図を追っていくのは実におもしろい。本文の内容もおもしろいのだが、残念ながら本文の内容は論理的根拠に乏しい。 例えば、ロスチャイルド5兄弟の一人の曾孫の夫の甥の祖父の甥の嫁の父親Aが、ロスチャイルド一家でるというような話が何度も出てくる。この例では、...

もの食う人びと (角川文庫)


辺見庸
¥ 720 通常24時間以内に発送
★★★★★

もの食う人びと (角川文庫)
かなり古い本ですが、とても考えさせられました。“食べる“という行為は“生“につながります。この本を通して私はあらためてこの事に気付かされました。手足が不自由でも肘と膝で必死に救援物資を貰おうとする人、戦争で住む家を無くした難民の人々の食べたくても食べれない状況。宗教や国は人々の幸せのためにあってほしいのに、現実は戦争のためにお金は使われ、人々は食べれない。例え私が募金をしたところで本当に苦しんでいる人々にどのくらいの援助になるのか?支援団体と称する人の私財にされ、行き届くのは脂身たっぷりの肉を食べた豚のような男ではないのか?飢餓があるのに、それをメディアで見たり読んだりしている自分には何もできない現実。考えると悲しくなります。私の食への意識はこの本を通して変わったと思います。食事をもっと大切にしようと思いました。食の大切さ、いろいろな楽しみ方が知れる本です。是非 読んでみてください。食べるという行為をキーワードに、90年代世界の病巣を描いたノンフィクション。 諦め、怒り、悲しさ。 そこに描かれる人物と事実がそのままひとつのストーリーとなり、われわれに何かを訴える。 時代は変われ...

魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)


米原万里
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★

魔女の1ダース―正義と常識...
米原万里の様々な媒体での原稿をまとめた書籍も中々楽しめるが、本書は書籍としての完成度が高い。編集者と著者の意気込みと計画性が感じられる完成度である。単行本となることを見据えて、活字作品を作り上げる、活字媒体に対する尊敬と愛を感じる。全編の記述とスピードに統一感のあるものとなっている。 本書によって、米原万里の学識と見聞の深さと広さを、今文庫本で手に出来る幸せを噛み締めた。 米原万里の手により正義と常識の儚さと薄っぺらさが、次々と暴かれる。お見事である。自分が常識と思っていることはけっして「絶対」ではない。文化が違えば常識も変わる。 頭では分かっている事実だが、庶民である我々はなかなか実体験する機会がない。そこで、この本。幼少の頃から異文化と交流する環境に身を置いてきた米原さんが、異文化交流の中で育まれたユーモアもタップリ交えて、実体験を基にした「えっ!」というエピソードの数々を語ってくれる。 こんなにアカデミックな人なのに、下ネタ多めなのも好感が持てます。この作者の魅力が満載されたエッセ−集です。 下ネタを含んだ小咄を含んでおり、思わずニヤッとしてしまう部分もあるのですが...

アポロ13号 奇跡の生還 (新潮文庫)


ヘンリー Jr.クーパー
¥ 540¥ 1
★★

アポロ13号 奇跡の生還 ...
〜前書きの時点で既に他人に下訳を頼んでいることを明らかにしている。原文は大変にプレーンな英語で、巻末にグロッサリーもちゃんとついている。アポロ計画に平均以上の興味を持つ者ならそんなに難しくもないはずなのに。しかもその下訳すらろくにチェックしてないのではと思わせるほど曖昧でいい加減な表現が点在する。こんな本を出しておきながら、その後の〜〜立花氏は「宇宙工学に造詣の深いサイエンスライター」としてテレビに出演、私の買った本(文庫化前の単行本)の帯はアポロの模型の前で誇らしげにポーズを取る立花氏なのだ。何がどうなってるんだこの人の頭の中は。原著に対する冒涜以外の何物でもない。いい加減にしろと言いたい。〜 アポロ計画に関する一般向けの本の中では技術的な記述が比較的多い本だが、そのせいかどうか事実をだらだらと垂れ流しているような印象を受けた。宇宙空間での絶対絶命の事故からの奇跡的生還、という最高にドラマティックな事件を、これほど平板に語れるのは逆に凄い。 終り方も唐突で余韻も何もなく、尻切れトンボと言っていいくらいで、もしかして抄訳かとも思ったほど。作者名よりも訳者(しかも下訳は別人)の名前が大...

敗れざる者たち (文春文庫)


沢木耕太郎
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★★

敗れざる者たち (文春文庫)
「長距離走者の遺書」の円谷幸吉。川端康成の心も動かしたあの有名な遺書は28歳のときのものだそうです。 本書を読むと、3位に入った東京五輪のときには、余り期待もされておらずプレッシャーの少ない中での活躍だったようです。しかし、銅メダルを取ったことで環境は一変、プライベートで自分の結婚さえままならず(今では、少なくとも僕には信じられませんが・・現在のスポーツ界でも似たような状況はあるのでしょうか。)メキシコ五輪を控えケガを抱え、様々な悩みがあったことが自ら命を絶った背景にあったことが本書では強く示唆されています。本書を読むと、実に素直で朴訥、心の優しく、たまたま足の速かったひとりの青年像しか浮かんできません。その「たまたま」が短い人生を強い、せめていくばくかの従順さを失ったとしても、遺書など有名にならなくともこの好青年が不幸な結末を迎えなくて済む術はなかったものなのでしょうか。 沢木氏の眼は冷静で、その術は結論的にはなかった、と言っているようであり、それでもこの青年を暖かく見守っているようでもあります。 敗れるためには誰かにあるいは何かに倒されなければならない。彼は一体何に倒された...